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TPRS指導法その4:文法に気づかせる

文法に気づかせる

話を一緒に作成し、重要な単語、like, want, have, make をしつこいくらい何回も指して、読むことに少しずつ慣れ親しみます。文字の量が少ないので負担が少なく、音、意味、とスペルを意識しながら、定着に近づきます。

ちなみに慣れ親しむために英単語を指しますけれど、実はもう一つの理由があります。それは教師が話す速さを調整するためです。子どもたちが思うほど話にはついていきません。理解可能なインプットにするためにとにかくゆっくりと話す必要があります。

話を英文にします。

質の良いたくさんのインプットの後に、みんなで英文にします。

教師が誘導しながら3~5つの文でまとめていきます。

 

「ではみんなでこの話をまとめていきましょう。」

「主人公は誰?」 

 (Mami と Mei)

Mami とMeiを板書し、間に隙間を作ります。

「ここで何の英語を書けばいいと思う。」

(and)

That’s right.  AND.

今どういう気持ち?

(hungry)

Of course. hungry.  Mami and Mei are hungry.

What 板書してある言葉を指し do they want板書してある言葉を指し?

(curry and rice)

Yes.  どう書けばいい?

(want)

Who 言葉を指し Who wants板書してある言葉を指し curry and rice?

(Mami and Mei)

黒板に書きながら。。。

Mami and Mei …..

(want)

Mami and Mei want ….

などとして最後にこのようなまとめが出来上がりました。

できあがったまとめをゆっくりと読み上げます。

驚きのたった10分で深い文法の学びを!これは絶対に英語の力が付きます!

次は日本語に訳しますが、順番を変えずにフレーズ単位で日本語で言い換えます。

こちらでな下に全文の日本語を板書しましたけれど、普段が口頭で終えます。

ここからはこの活動の凄いところです。

Curriculum Club

こちらはアメリカのCurriculum Clubという外国語指導法を開明したTina Hardegan氏に教えていただいた活動です。

生徒として外国語を学ぶ経験をし、非常に分かりやすかったです。1週間の講座でこの指導法を勉強しながらドイツ語を勉強しました。

ドイツ語の文法がとても複雑で難しいと知られていますが、この1週間は一度も難しいと思いませんでした。「今週の出来事」「マグカップ」を主人公として話を作ったり、簡単な童話まで、この1週間で学びました。もちろん英語の説明もありましたけれど多くの時間がドイツ語でした。

ドイツ語の文を暗記していないので、自分から発話できることが少ないけれど、不思議と音として馴染みを感じます。ドイツ人の友達がゆっくり話すと聞きおばえがある単語を聞き取れます。この経験があるからALL Englishは無理ではなく、日本語で説明を加えながら、英語だけの時間が可能だと信じています。

文法に気づかせる簡単の方法

さて、小学校4年生でも文法に気づかせる簡単な方法です。

 

児童に何でもいいので、気づいたこと、日本語と違うところ、新しく分かったことなどをメモしてもらいます。

 

例としてよくでてくる気付きは:

なんか変。

たどたどしい!

順番が違う。

順番が日本語と逆。

「を」とか「が」はない。

「。」と「.」が違う。

最初は大文字。

前回Mami and Meiがある。

 

最初は主に「よく気づいたね!そうだよね!」と褒めます。

詳しい文法の説明をする必要もないです。

「そういう決まりなの。日本語と違うでしょう。中学校に行ったら詳しい理由を教えてもらうから。」

短い説明をした場合はその言葉の働きで説明します。

決して「3単元のs」などの専門用語を使わないことが大事です。

「I」とか「you」ではないとき、一人の名前の場合は「s」が付く決まりなの。

必ず「誰が」というのないといけない。

さらにMami and Meiが毎回いうとしつこいでしょう。じゃレベルアップしよう。英語で一緒にして「they」と言うんだ。

 

などです。それぞれ気づくところや気づくタイミングが違ってもいいです。暗記しなくってもいいです。友だちの発言を聞いてすぐ分かる子と何回聞いても理解できない子もいても大丈夫!その子その子のペースで日本語との違いを気づかせる場面を作っていけば、その子に合う学びができます。

 

同じタイミングで同じことを身につけようとすると上位が暇になったり、下位が苦しむ。しかし気づきの場を作ると、なかなか理解するまで時間がかかる子が素晴らしいことを発言をしたり、上位の子の目が輝いて、自分で質問してきたり、調べたりする場面が増えました。

 

毎回このような時間が取れなくても、多くの理解可能なインプットの後にまとめの1文でも大丈夫です。ぜひ試してみてください。

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