rainbowpieceの日記

みんなに伝えたいー外国語の楽しさ

理解可能のインプット(文化の紹介)

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外国文化を紹介する5つの工夫

外国の文化を紹介するときに、英語の語彙力が少ない小学生はよく日本語になってしまいます。少し工夫すれば、前習った英語表現で無理なく分かりやすい紹介をすることができます。その工夫とは:

  • 視聴覚教材を有効に使う。
  • 前に習った表現の「言葉の働き」を意識する。
  • 短い時間で紹介する。
  • 児童の目標を「聞き取った情報の数」にする。
  • 気付く力を育てる。

視聴覚教材を有効に

一枚の写真で児童の興味を引きつけます。風景や食事、日常生活や文化の違いなど、画像だけで伝わることも多くあります。その写真を今まで習った英語で説明するだけです。日本語や難しい英語で詳しい説明をする必要はありません。文化を知るきっかけと考えてもいいでしょう。

ではどういう英語を使うと良いでしょうか。

「言葉の働き」を意識する

各学年で重視している「言葉の働き」を意識すると、どの写真でも復習を兼ねて文化の紹介することができます。

3学年:

物を紹介する。(色、数、形、大きさ、種類など)

What's this?   What can you see?

It's (red, square, big, a fruit).

How many 〇〇 can you see?

気持ち/好きなもの/欲しいもの

How are you? (How is he/she)?  He/Sheが分からなくても写真を指しながら聞くと意味が分かります。またその人物の気持ちを想像することで身近に感じることができます。

Do you like...?

What (sport/food/color) do you like?

4学年:

3学年の表現に加えて、

場面の説明。(天気、朝/昼/夜、曜日、時刻、方向、部屋の名前)

It's (sunny, rainy, snowy, cloudy) and/but (hot, warm, cool, cold).

It's (morning, afternoon, night).

It's (Sunday).

It's (12:00 pm).

写真の曜日と時刻が明確でなければ、児童に決めてもらうこともできます。

What day is it?

What time is it?

Is it (morning) or (afternoon)? 〇〇 or 〇〇の質問にするとさらに答えやすくなります。

持っているもの、気に入っているもの

Do you have (a hat)?  (写真を指して Does he have a hat or bag?などの質問をすると習っていない文法に触れさせることができます。)

What is your favorite (color, food, animal)?

日常生活に関する動詞(wake up, eat, study, go to...)

People (eat).... (for breakfast, lunch, snack, dinner).

5学年:

場面や人物の説明:

日付、前置詞、頻度

When is (your birthday, Christmas)?

This is (January 1st).

The (girl) is by the (temple).

Where is (the boy)?

People (usually) eat (rice cakes) on (New Year's Day).

People can (see, eat, buy, enjoy, try) on (Children's Day).

What do you do (on Sport's Day, during summer vacation, on Sunday)?

できること、得意なこと、特徴、職業

He can (swim fast, cook well).

She is good at (drawing, skiing, playing video games, writing Kanji).

She is (kind, active, tall, short).

He is (a baker, a teacher, a sports player).

児童や写真の人物についてできる質問:

When is (your/his/her) birthday?

What time (do you, does he/she)....?

Can (you/he/she) 〇〇?

Are you good at....?

Is he/she good at....?

What are you (is he/she) good at doing?

What do you want to do/study/be?

What does he/she want to (do/study/be)?

Do you like...?

Does he/she like...?

6学年

経験を伝える

I went to (Tokyo Disneyland, Osaka, the mall, the library).

I ate (pizza, sushi, soba noodles).

I saw (a movie, a famous building, a popular Youtuber).

I enjoyed (talking with my friends, playing video games, swimming).

It was (fun, exciting, great).

I want to (see, eat, enjoy, join)....

The (building, food, statue) is from (India, Norway, France).

経験についての質問:

What did you (do, eat, see, buy,enjoy) (last night, during winter vacation, on your school trip)?

Where did you go?

When did you go?

How was it?  Was it (exciting, fun, delicious)?

What do you usually do (on the weekend, on New Year's Eve)?

Where is (the food, the gift) from?

What do you want to do?

What do you want to be?

数多くの説明や質問ができますが、何より大事なのは

短い時間で紹介する

目指す時間は8−10分くらいです。それより長くなると集中力が切れてしまいます。私はよく4枚の写真を準備しますが、時間を見て2枚か3枚で終わる場合もあります。2枚以上にする理由は様々な場面の中で、重要表現の繰り返しを増やすためです。

できる限り、一枚につき5文以上で説明します。なぜ5文以上かというと、リスニングの目標に関係があります。

児童の目標を「聞き取った情報の数」にする

このようなリスニング活動をする場合、明確な目標を設定することをお勧めします。

よく目標にするのは「写真1枚につき2〜3個以上の情報を聞き取ること」です。

聞き取った情報を日本語で書くように指示をします。何故ならば、カタカナで書くと、その言葉の意味が分かったかどうかが明確ではないからです。

最初は単語だけで良いと言います。情報を全部聞き取ることを目標とはしていません。聞く力を育てるためです。児童は分からない表現がでたとき不安になります。何を聞き取れば良いのか、分からない言葉がでたら何をしたらいいのか分からない場合が多いのです。

聞き取った情報の数を目標にすることで、ひとりひとりに合ったゴールを定められます。例えば、英語が苦手な児童が「木」「晴れ」「赤」という単語を聞き取って書いたとします。教師は、「天気をよく聞き取ったね。」「難しい発音の色もよく聞き取ったね。」などと児童のレベルに合わせた褒め方をすることで、児童の自信に繋がります。また、英語が得意な児童は、より多くの情報が聞き取れたことを自慢したいので単語ではなく「赤い車」「車は木の方です。」「晴れていて暑いです。」などのように文で書きます。

単元ごとにこのような活動を入れると評価のときに非常に役に立ちます。

定期的にこの活動をしていくうちに、普段ボーっとしていた児童が自信を持つようになったと感じました。また上位の児童は授業中、暇することなく自然と一人一人に合うレベルの活動をすることができます。

最後に

気付く力を育てる

フォニックス(文字指導)に続き、1番英語の力が付く活動は、「write and discuss」「書いて話し合う」です。口頭で紹介した写真を文書化して、文の法則(文法)に気づかせる活動です。説明した写真の中からクラス全員で1枚を選び、児童と一緒に3文程度のまとめを黒板に書きます。ここで大切なのは、児童たちが書きたい情報を重視することです。ある程度、誘導はしたいのですが、必ずしも単元で扱う表現でなくてもいいのです。しかし複雑な文を避けることをお勧めします。

例:

This is Holi Festival.

It is sunny and warm.

You can see red, blue, orange, purple, and green.

黒板に書き終わったら、ゆっくりと英語で読み上げます。

次に順番を変えずにそのまま日本語に訳します。

例:

これ である ホーリ 祭り

それ である 晴れ と 暖かい

あなた できる 見る 赤、青、オレンジ、紫、と みどり

今度は「discuss」「話し合う」活動です。

児童たちに、日本語訳をした時に何か気づいたことはないかと問いかけます。最初は「順番が変」と答える児童が多いです。この活動を続けることにより、様々な文法に気づき始めます。このときに詳しく「教える」必要はありません。気づいたことを、振り返りの時間に残しておくのもいいでしょう。子供たちの「気付く力」には毎回驚かされます。

 

 

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